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アドバイザー 齊藤 芙悠子

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2025.07.12

奈良県川上村に行ってきました② 吉野杉の森

こんにちは!
おかげさまで創業75年、自然素材の木の家専門店 田中建築株式会社 アドバイザーの齊藤 芙悠子 です。

今日は私たちが出会ってきた吉野杉について書かせていただければと思います。

 

おそらくどなたでも一度は聞いたことがあるのではないかと思われる木のブランド「吉野杉」。
その産地である奈良県吉野郡川上村はなんと村の95%が森だそうです。

かつて川上村の林業家土倉庄三郎さんが生み出した、苗木を超密植し、数十回にわたる間引き=間伐を繰り返して
百年の単位で育つ立派な「吉野杉」の森は、神々しさを感じさせるほど精緻な施業がされていて、
林業者のかたたちの素晴らしい仕事を感じざるを得ません。

上の画像は奥が50年生ほど、手前は200年生ほど。
歴然たる差と、どちらも手入れされている様子は圧巻でした。


こちらは伐り出され製材されつつある150年の吉野杉。
板になっても圧倒的な重厚感と存在でした。

また、「こんなにいいものは吉野杉でも珍しいけどたまたま入ったよ」と
わざわざ私たちに見せるために特等席に出されていた板材は
これまでにみたことのないきれいな赤みのある木でした。

あとから教わったところ赤みがある杉を好むか、白っぽいのがいいかなどは地域により異なるそうです。
吉野杉はこの赤みが特徴なのだそうです。
杉ならばどこで育っても杉、とぼんやり思っていた自分を反省しました。

きっと木での家づくりがもっともっと身近だったころは、産地ごとのスギの特徴も素晴らしさももっともっと
私たちに身近な知恵だったのでしょうか。
見学させていただいた材木屋さんが、杉しか挽かないが、杉材ならどんな要望にもこたえられると
自信を持ってお話ししてくださる姿、また育った木の土壌成分と材木の性質の関係性など
分子レベルの理科の知識をもって製剤に取り組まれていることに感銘を受けました。

価値があるものは、その価値をしっかりと理解し、次の製品に昇華させてあげられるプロの手にかかって
輝くのだと痛感しました。その製材所さんはミラノサローネに出展される家具を作るための材料を請け負ったりされているそうです。
山深い川上村から、デザイントレンドの最先端へ吉野杉を送り出すのは
ローカルのプロ。なんだかぐっときました。

どこへ行くにもほぼ必ず目に入る、川の美しさと山の精緻さ、空気のおいしさも印象的でした。

川上村で感じたこと、教えていただいたことを
じゃあ私たちはこの北信州で、誰とどんなふうに?
そんなことを考える栄養にさせていただきました。脂肪のように貯めずに、何かを生み出すことに向かっていきたいと思います。

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私たち田中建築には、「家づくり」を「幸せづくり」にするという信念があります。
それを実現するための方法は、生涯に渡るお金の計画を立て実行すること、
自然素材を使ってデザインされた高性能な木の家を建てることだと信じています。
同じ志を持った協力業者と共に、お客様の思いに寄り添う、顧客密着の工務店です。

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