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広報 中山 聖子
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2026.03.10
左官職人の手仕事。漆喰の塗り壁ができるまで
こんにちは。
おかげさまで創業76年。
自然素材の木の家専門店、田中建築株式会社広報の中山聖子です。
最近、漆喰の塗り壁を取り入れたお家が2棟あり、左官職人による施工が進められていました。
現場では、手仕事ならではの技術や工夫を見ることができました。その様子を少しご紹介したいと思います。
漆喰は、主成分である石灰に、海藻からつくる天然の糊や、ひび割れを防ぐための麻の繊維(麻すさ)などを加えてつくられる、日本古来の自然素材です。こうした素材でできているからこそ、日本の気候風土にもよくなじみます。
しかし、漆喰の壁づくりは決して簡単ではありません。水分の状態や季節、室内環境、そして光の当たり方まで。さまざまな条件を見ながら、左官職人がコテひとつで仕上げていきます。

今回の現場は冬場の施工。しかも高気密住宅のため、施工中は換気が十分に回らず湿気がこもりやすい環境でした。漆喰がなかなか水分を吸わず、除湿機を回しながら作業を進める場面もありました。季節によって乾き方は大きく変わり、夏は驚くほど早く乾燥するそうです。
また、漆喰は水が引き始めると長く置いておくことができません。壁は一面でつながっているため途中で止める場所がなく、特に出隅(角)が絡む部分は、一度塗り始めると区切りをつくりにくいため、一気に仕上げていく必要があります。
一見すると塗り終わったように見える壁も、ここからが職人の腕の見せどころ。コテの動きによって「波」と呼ばれる表情をつくり出していきます。
実はこのランダムな波の仕上げこそ、とても難しい作業です。
少ないと感じて足してしまうと全体のバランスが崩れてしまうため、感覚がとても重要になります。端の部分が絡むとさらに難しく、逃げ場がなく同じ方向にしか動かせないため、職人の経験が仕上がりを左右します。
さらに、仕上げの表情によって使用するコテも変わります。
コテの種類や動かし方によって、壁の質感や陰影が大きく変わるため、職人は仕上げに合わせて道具を使い分けています。
光の当たり方も仕上げに影響します。
正面からの光では波が見えにくくなることもあるため、光を当てながら壁の表情を確認しつつ作業を進めていきます。どこかアーティスティックな感覚を感じる瞬間です。
日本古来の素材である漆喰。
その魅力を最大限に引き出しているのは、こうした左官職人の繊細な技術と経験なのだと改めて感じた現場でした。
今回施工していた2棟では、仕上げ方にも違いがありました。
同じ漆喰でも、コテの動かし方によって壁の表情が大きく変わります。


仕上げは、現場でサンプルを見ながら職人さんとお施主様で相談しながら決めていきました。
実際に壁の表情を見比べながら、空間の雰囲気に合う仕上げを選んでいきます。

さらに、同じお家の中でも場所によって「波」の出し方を変えて仕上げているそうです。
光の入り方や空間の雰囲気に合わせて壁の表情を調整しているとのことでした。
一見同じように見える塗り壁も、実は場所ごとに違った表情がつくられています。
そんなところにも、左官職人の細やかな仕事が感じられました。
そんな職人さんですが、とても控えめで謙虚な方。ちなみにご自宅ももちろん全面塗り壁だそうで、お子さんの落書きがたくさん・・と、ほっこりとしたお話もお伺いすることができました。
今回ご紹介した住まいは、3月21日(土)22日(日)に完成見学会を開催します!
写真では伝わりにくい、漆喰ならではのやわらかな質感や光によって変わる壁の表情を、ぜひ実際の空間でご覧ください。
完成見学会の詳しい情報は、イベントページにてご案内しています。
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